『坊っちゃん』の作者は?この作品を大人が読むべき理由とは?

文学のすゝめ

皆さん、こんにちは!
ごーじん(@smil3jane)です。

さて、突然ですが、質問です。
子供の頃、もしかしたら読んだことのあるかも知れない『坊っちゃん』なのですが、……あなたは大人になってから読んだこと、ありますか?

……え、ない?

それは勿体ないです。

この作品、実は大人にこそ読んで欲しい本なのです。さらにアスペルガーなどの発達障害に悩む人にもオススメだったりします。
なぜだかわかりますか?

今回は、その理由を説明します!

『坊っちゃん』とは

先ずは、おさらいしま──

だ、太宰先生の出番は無いですっ!

……。

『坊っちゃん』の作者は?

作者は有名な、夏目漱石です。
個人的に大好きな作家の一人です。夏目漱石→芥川龍之介→太宰治という、この流れが、たまらなく好きです! 明治→大正→昭和、と時代は違えど、僕の中では全く同じジャンルなのです。ああ、でも特に好きなのは、太宰治だなあ。太宰と同じ時代だと坂口安吾も好き。上手くはないけれど、とても良い。織田作之助とかも良いね!(……ああ、カレーが食べたくなってきた!←解る人には解る)。

うっへーっ♪

……。

……閑話休題。

と、まあ、夏目漱石は、明治時代ど真ん中の作家で、現代の日本語を確立した人のひとりだと思います。作品を読んだことのない人でも名前くらいは知っているという、それは有名な人です。──あ、仮に名前を知らなかったとしても、顔なら知っているかもしれません。ひとつ前の千円札に採用されていましたので……。

『坊っちゃん』のあらすじ

あらすじを超・簡潔に。

ついて来られない人は置いてゆくよ!

自分を可愛がってくれなかった父と、それを放置していた母とが亡くなった後、何かをして生計を立てていかなきゃならなくなった坊っちゃん(主人公)は、これまで世話をしてくれていた清(きよ)という婆さんと別れて、東京から田舎のほうへ学校の先生をしに行くことになった(縁があって──というか、まあ、なんとなく決めたのだけれどね)。

「いやあ、これまで自分を必要以上に可愛がってくれた清を置いて遠くへ行くのは、少しばかり心苦しいところもあったのだけれど、でもさ、正直に言うと、ちょっとウザかったのだよね……清。だって構い過ぎなのだよ。過保護かよ。つーか、坊っちゃんって呼ぶなよ(心の声)」──と、主人公。

で、行った。

行きましたよ! 超・田舎の学校に!
そこで「山嵐」という同僚に会ったり、「狸」という校長、「赤シャツ」という教頭に会ったり、その権力の犠牲になっている「うらなり」に会ったりして(あ、全部アダ名な!)……と、そこまではいいのだけれど、時間の経てば経つほどに、どんどん雲行きは怪しくなってきて……。
権力を振りかざして好き勝手やっている大人たちは、そのままで何も変わらないし、それを止めることはできないし、生徒たちも、……なんだこれ? これが田舎のやり方かよっ!──と、そりゃあ、もう、イライラしっぱなし。
で、だんだん嫌になってきちゃった主人公。

「ねえ、……まじ、これ何なの?」

という、お話です。

調子にのるなよ。

……。

『坊っちゃん』はアスペルガーにオススメ♪

小学校の推薦図書にも選ばれていそうな『坊っちゃん』ですが、実はアスペルガーの人や、身近に発達障害の人がいる──という大人にこそ読んでほしい(読み返してほしい)1冊だと思うのです。

坊っちゃんは大人が読むべき

先ず、(アスペの人も、そうではない人も)子供の頃に読んだ時、ハッキリ言って、ピンとこなかったのではないですか?

「ふーん」って感じで。

なぜなら『坊っちゃん』で書かれているのは(大人の)社会です。
社会というのは、坊っちゃん(ピュア)のままでは生きづらいものだ──というのを、子供に理解できるとは思えません。そんなの意味が解らない。

教育の場で教えるとしたら、

社会には思うようにゆかないことがたくさんあります。
しかし、それに耐えて、目をつぶるところはつぶって、上手に生きてゆかねばなりません。辛い毎日が続くかもしれない。しかし、自分を理解して、愛してくれる人は必ずいるのです。あなたにとって、それは誰ですか? きっと、その愛に応えるのですよ。

──みたいになるかと思います。

メインのテーマを、清の愛にするしかない。
しかし実際に言いたいことは、そんなに小難しいものではなく、

正義(ピュアな自分)が、悪(権力)と戦っても、勝ち目はないよ

──という理不尽そのものだと思うのです。

特にアスペルガーにオススメ

では、なぜアスペにオススメだ、と言えるのか? それはズバリ──社会の勉強になるからです。と、言うか、

坊っちゃんこそが、アスペだからです!

親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜かした事がある。なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。新築の二階から首を出していたら、同級生の一人が冗談に、いくら威張っても、そこから飛び降りる事は出来まい。弱虫やーい。と囃したからである。小使に負ぶさって帰って来た時、おやじが大きな眼をして二階ぐらいから飛び降りて腰を抜かす奴があるかと云ったから、この次は抜かさずに飛んで見せますと答えた。

これが『坊っちゃん』の冒頭なのですが、……
これは、もう、アスペです!(百歩譲ったとして、何らかの発達障害です)。
真っ直ぐなのは良い事ですが、これは冗談が通じないだけです。アスペ本人から言わせてもらうと、『坊っちゃん』は、読めば読むほど、アスペあるあるです。
これは本当に、耳が痛いというか何と言うか(この場合は目が痛いの?)、思い当たることばかりなのです。

だから「坊っちゃんの気持ち」は良く解るのです。

アスペルガーは、世の中に本音と建前があることを理解できません。時と場合でルールが変わることも、意味が解らない。
どうして? え、ここではルールを違反しなきゃいけないの? どうして悪い人が裁かれないの? え、この場合は良いの? じゃあどんな時が駄目なの?

「空気を読むって……なんだそりゃ?」

ほんとうに、心の底から、坊っちゃんなのです!(涙)。

アスペルガーは情報をインプットしたら、得たものをいちど分解し、それを自分のオリジナルの形に作り変えないと、理解できません。そこが最大の弱点です。とにかく理解には時間がかかります……。

と、いうわけで……、

『坊っちゃん』を理解できれば、アスペルガーなど発達障害のことも理解できるかも知れないのです。少なくとも想像はできるはずです。
我々アスペにとっては、自分を客観的に見つめ直す良いキッカケになりますし、周囲に発達障害の人が居る環境の方にとっては、知るという良いキッカケになるかも知れません。

まあ、本物の世間知らず(困った坊っちゃん)も、世の中には居ますけれどね……。

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『坊っちゃん』 まとめ

いかがでしたか?

今回、この記事を書くにあたって、久々に読み直してみた『坊っちゃん』ですが、なかなかに力強い文体で、痛快に読むことができました♪

以下に、まとめます。

夏目漱石の書いた『坊っちゃん』を、なぜ『大人&アスペ』が読むべきなのか、それは……。

 アスペは社会の理不尽を理解できない。
(読むことで、想像しやすくなる)

 坊っちゃんのように直向きな人(アスペ)が、実社会に少なからず存在することを知るキッカケになる。
(それが自信につながるかもしれない)

 つまり、アスペは、好きで失敗しているわけではないことが解る。
(少し安心します。仲間に出会えた感じです)

という理由です。

あとは、清の言う「坊っちゃん」と、敵対する先生の言う「坊っちゃん」とは全く意味が違うところが、とても面白いです♪

子供の頃に読んだ切りで、大人になってから読み返していない人は、もういちど読んでみてください。救われると思いますよ。

以上、報告します。

ところで坊っちゃんは物語の後、社会が言うところの「大人」になれたのでしょうか? もし、本当に発達障害なのだとしたら、相当な訓練が必要だと思います。
私は、とても心配です……。


文学は弱者たちの叫びを代弁しています。
スッとします。私たちが怒らなくたって良いのです。そして、この辛さを理解してくれる作者という人が、たしかに居たことが判るのです。

いやあ、これだから大人になった今でも文学はやめられない!


あなたの周りに坊っちゃんは居ませんか?
それとも、……あなたが坊っちゃんですか?


これだけ楽しめて、この価格なのだから文庫本は救世主です! いや、もう神です!


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