「わたし、……発達障害かも?」
「この子、発達障害かもしれないわね……」
心配ですよね……。
不安になってしまう気持ち、よく解ります。
私自身、自分の正体を知るまでは、とにかく生きづらくて悩んでばかりいました。でも、解ってしまえば、あとは訓練! 今では発達障害なんて癖の凄い個性のようなもの──と思えるようになりました。……とは言え、ある程度は知識が無いと、理解に繋がらないことも事実です。
そこで今回は、発達障害にについて、できるだけ解りやすく解説することにしました。これを読んで少し安心していただけたらと思います。
発達障害の種類について
発達障害とは
発達障害とは、脳機能の不全によって何らかの発達に遅れを生じ、生活に困難を抱えている状態を指します。
脳機能の不全って、なあに?
なんじゃそりゃ? ですよね。説明します。
脳機能の不全というのは、つまり、ええと……、ほら、人間の体って、機械みたいに色々なパーツが組み合わさって出来ているじゃないですか。
そして、さらに細かく脳だけを見ても、色々なパーツが集合して「ひとつの脳」として成り立っているのです。例えば、大脳、間脳、中脳、後脳、小脳、さらには延髄みたいな(これは本題に関係ないのでザックリと)。
脳機能の不全というのは……それぞれのパーツは不良ではないのだけれど、それらを繋ぐもの──機械で言うところの「配線」──これが正しくできていない状態を想像していただければオーケーです!
目に見えるものではありませんが、イメージとしては配線の間違いです。
繋がなくて良いところが繋がっていたり、大切なところに繋がっていないがために、情報が伝わるのが極端に速かったり、遅かったり、多かったり、少なかったり……。
商品として考えると「不良のため出荷はできない」のですが、「コツがわかれば、使える事は使えるよ」という状態です。
つまり、B級品です!(←おいおい)。
これが発達障害です。
そして、その発達障害には色んな種類があります。
発達障害の種類
先ずは以下をご覧ください。
このように発達障害は……、
- 広汎性発達障害
(その中で自閉症の特性があるグループをまとめて、自閉症スペクトラム(ASD)といいます) - 学習障害(LD)
- 注意欠如/多動性障害(AD/HD)
という3種類に、大きく分けられます。
このサイトでは、アスペルガー症候群(自閉症の一種)をメインに扱っていますので、広汎性発達障害という言葉は使わずに、その中の自閉症スペクトラムをいちばん大きな括りとしてお話します。
ねえ、どんな特徴があるの?
おや、食いつきがいいですね。
それでは説明いたしましょう。
自閉症スペクトラム(ASD)
- アスペルガー症候群
知能に問題なし。高機能自閉症に似ているが、言葉を覚えることが得意。 - 高機能自閉症
知能に問題のない自閉症。アスペルガーと違い、言葉の発達が遅い。 - 知的障害を伴う自閉症
自閉症障害。知能の遅れに問題がある。 - 特定不能の広汎性発達障害
上記に属さない、その他の自閉症。
・説明が苦手なので気持ちを伝えられない。
・人と視線を合わせるのが苦手。
・集団行動が苦手。
・ルールを理解できないことがある。
・自分なりの勝手な解釈をする。
・特定の興味に熱中する。深く掘り下げる。
・興味のないことには、とことん無関心。
・自分のペースでしか行動できない。
・やる気スイッチの入りが悪く、いつも気持ち待ちの状態。
・こだわりが強い。
アスペの私は、これに当てはまります。
自分のことなので、特徴を多めに書きました。
学習障害(LD)
読み書きや計算など、特定の教科が極端に苦手。
主に学習面で問題を抱える。
・能力に偏りがある。
・音読みと訓読みの使い分けが難しい。
・見た文字を声にすることができない。
・文章をスムーズに読むことができない。
・ひらがなは理解できるが、漢字になると理解できない。
知的障害とは意味合いが違うので、注意です。
注意欠如/多動性障害(AD/HD)
・ミスを何度も繰り返す。
・忘れものが多い。
・物を紛失する。
・順番を待てない。
・衝動を抑えることができない。
・じっと座っていられず、歩き回る。
・静かにしなければならない場所で静かにできない。
うーん、クラスにひとり居そうなタイプ。
発達障害はひと繋がり
発達障害は、このように大きく分けて3種類あります。
しかし、そんなにハッキリと区別できるものではありません。
それは、特性の重なり合う部分が、少なからずあるからです。
以下の図をご覧ください。
発達障害は、このように重なる部分が少なからずあります。
ですから、あなたやあなたの家族の特性がピタッとどこかに当てはまっていなくても、何も不思議ではありません。
診断として答えを出すために、名称の区別がされているだけです。
診断名にとらわれず、今現在の特性をみて対応することが大事です。
わかりづらくて悪かったわね!
文句を言わないでもらえる?
あ、はい……(誰?)。
注意すること
以上が、発達障害の種類なのですが……、注意しなければならないことがあります。それは──、
「性格」も加味して診断する
「その人の性格」+「障害の特性」で、その人のパターンが決まる、ということです。
あ、さらに、生活環境によって培われた(持って生まれたものではない)価値観などもプラスされますよねえ……。
アスペルガーは、それらを管理するのが苦手なのですが、幼い頃から訓練してきた人は、しっかりしています(訓練というか、気付かないうちに癖にできちゃった人、ですね)。
そこも加味して分析しないと、正確な診断はできないと思います。
知的障害ではない
あと、ネット上で、「発達障害は軽い知的障害のようなもの」という意見を見かけることがあります。
が、
それは間違いです!
発達障害は、知能に問題のない場合がほとんどです。
と言うより、むしろ早熟で、勉強も良くでき、閃きもあります。3歳の頃から社会に出る頃までは、周囲を「子供だなあ」と感じていることのほうが多いです(馬鹿にしているわけではないです)。
ま、逆転されちゃうんですけどね。……精神年齢が。
精神年齢は、社会に出る頃までに成長がストップしてしまいます(涙)。
で、それまでとは逆に、周囲から「子供だなあ」と思われる。……もしかしたら、それを知能の遅れだと思われているのかもしれませんね。
違うんですけどね……(涙)。
むずかしいなあ…
発達障害の種類 まとめ
いかがでしたか?
色んな言葉が飛び出し、もう、サッパリですよね?
でも、問題ないですよ!
丸暗記する必要なんてありません。
イメージだけでも掴めたらオーケーです♪
超・短くまとめてみますので、おさらいしてみましょう!
- 発達障害は大きく分けて3種類。
自閉症スペクトラム(ASD)
学習障害(LD)
注意欠如/多動性障害(AD/HD) - それぞれに特性がある。
- 特性が重なっている場合もある。
- 成長とともに変化することもある。
薬などで治そうとしても治りませんし、無理に矯正することは本人の否定に繋がります。
特に子供が発達障害の場合は「過保護に育てること」が基本です。
面倒ですし、辛抱&根気の連続ですが、そこは自分(親)の成長のためだと割り切って、とことん付き合ってやりましょう。
あくまでも本人の考えに辛抱強く付き合って、理解し、訓練のための補助をしてやることが大切です。
とにかく辛抱。
それ以外にありません。
色々とお話しましたが、すべて何となーく覚えておくだけで良いです。
診断名より何より大切なのは、向き合うことだと思いますよ。
それでは、また!
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